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装置開発室(2ページ) 分子研リポート2009 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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294 研究施設の現状と将来計画

8-5 装置開発室

装置開発室は分子科学の新展開に必要な新しい装置および技術を開発する事と日常の実験研究に必要な部品および 機器の設計・製作に迅速に対応するという2つの役割を担っている。新しい装置の開発には研究者との密接な協力体 制で取り組んでおり,平成17年度からは共同利用機関の活動の一環として所外研究者からの製作依頼も受け付ける ように体制を整えた。これにより,装置開発室固有の技術の維持と向上に研究者と技術者が一体となって取り組んで いる。また,日常の実験研究で必要な工作依頼や緊急性を要する依頼に対しては加工技能を持つ短時間契約職員の協 力により対応している。この様に,装置開発室の重要な業務である新しい装置・技術の開発と日常の技術支援の両方に 技術職員が取り組んでいる。

8-5-1 独自技術の開発

機械技術では,より高度で先進的な技術により研究・開発を支援するために様々な新しい加工技術に取り組んでい る。多点計測型イオンチャンネルバイオセンサーの製作に必要な超精密金型を,理化学研究所と共同で超精密ナノ加 工機により試作を行っている。またホットエンボス加工により 10.mmの残膜部を有する P M M A基板の製作を産総研 と共同で,さらにニュースバルにおいて PMMA基板への直径 3.mmの微細孔加工をリソグラフィーにより試みている。

従来から行っている超精密加工およびマイクロ加工に関する以下の技術開発も継続して行っている。平成18年度 から「脆性材料の超精密加工」として,国立天文台の先端技術センター設置の超精密加工機を利用して,赤外光用の 光学材料である硫化亜鉛(Z nS )結晶を用いた回折格子の試作を行っている。これは名古屋大学及び国立天文台との 共同開発として実施している。平成21年度は,単結晶 Z nS の加工特性に及ぼす結晶方位依存性について調査を行い, その結果をもとに単結晶 Z nS 回折格子を試作した。今後は,ガラスおよびシリコンなどの超精密加工への適用を図る 予定である。

もう一つの「小径工具を用いたマイクロ加工」についての取り組みも4年経過し,100mm以下の工具を使うノウハ

ウが蓄積されてきた。平成19年度はサブミクロン駆動の X Y Z ステージを導入し,微小切り込みや精密位置決めなど 新しい加工法を応用しマイクロ部品の製作を行った。平成20年度はオンマシン計測が可能な C N C フライス装置の開 発を開始した。今後はこのマイクロ加工装置を完成させ,多方面からの研究支援に対応する計画である。

電子回路技術では,高速化や多機能化が進む電子回路の需要に対応するために,C P L D や F P G Aなど,プログラマ ブル論理回路素子を用いたカスタム I C の開発を積極的に行っている。東北大学多元物質科学研究所からの施設利用 である「超高速多重同時計測回路」では,従来使用していたデバイス(E C L )に代えて C PL D での開発を進めている。 これにより,回路の高速性は保ちながら高機能化へ向けての対応が容易になり,さらに消費電力やデバイスの入手性 など現状の問題点も改善できる。

また,東京大学大規模集積システム設計教育センター(V D E C )を利用したアナログ集積回路の開発技術の導入に 向け,ワークステーションの立ち上げと L S I 設計支援ツールの整備を行った。今後は,C M OS アナログ集積回路の試 作を行って L S I の設計・製作・評価のためのノウハウを蓄積し,ユーザーの要求に迅速に対応できる体制を整える計 画である。

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研究施設の現状と将来計画 295

8-5-2 設備

装置開発室の設備は,創設から30年以上経過し老朽化,性能不足,精度低下などが進み,分子研の新しい展開を 担う研究支援に影響するため,毎年,重要事項として対策の検討を進めている。平成16年度から中村所長の配慮で, により設備更新が徐々に進み,本年度はディジタル・マイクロスコープ,ドリル研磨機,集塵装置付きグラインダー, 高速絶縁データ・ロガー,ミクスド・シグナル・オシロスコープ,周波数カウンタを導入した。しかしながら,先端 的な加工設備や計測機器に関してはまだ十分とは言えない。今後さらに研究所の方針に合わせた設備計画を運営委員 会等で検討していく事とする。

一方,高度な加工設備は機械本体そのものも高価であり,また設置環境を整え,維持管理など付帯経費も必要であ ることから,他機関,他大学または民間企業を含め,すでに設備されている機器を利用する方法も検討していきたい。 現在,国立天文台が所有している超精密加工機の利用を行っている事例もあるが,これらは,年度毎に共同開発とし て利用申請書を提出し採択される必要があり,研究支援や速やかな対応には向かない面もある。また,新規な材料等 を加工する場合には,加工条件の探索から始まるので,長期に亘っての使用,共同利用の場合の研究内容との整合性, 更には,利用料や派遣経費などの問題がある。これらを踏まえ,研究支援に効果的な加工機器活用を調査・検討して いく。

参照

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